3/16のブログ記事「
投機マネーが暴走し始めた」で言及した、ベアスターンズ社のプットオプションの疑惑に関して、その後の報道を元にいろいろ考察してみた。私はベアスターンズ社の破綻は綿密に練り込まれた仕掛けであるとの結論に達した。
まず一連の流れを整理してみる。
3/10 ベアスターンズ社の流動性が悪化したという噂が流れ、株価は$70.08から$62.30と10%近く下落した。ベア社幹部は「まったくの事実無根だ。ベアー・スターンズは依然として、良好なバランスシートと流動性および資本を維持している」と語った。
3/11 3月限月のベアスターンズのプットオプションが15セントで5万5000枚と大量に買われた。この日はFRBが新流動性供給計画を発表してNYダウがプラス400ドルと大幅上昇した日で、ベア社の株価は$62.97と前日から若干上昇した。
3/14 NY連銀がJPモルガンを通じてベアスターンズ社資金供給することが決定し、ベア社の株価が$30を割り込み、プットオプションは4ドル75セントの40倍になった。S&P社はベア社の格付けを引き下げた。
そしてこれらの一連の流れの中で、ベア社のオプション取引に以下のような疑惑があったことを述べた。
「NYがプラス400ドルと大幅上昇した日に、現値(60$)からかけ離れたプットオプションを購入したこと」
「3/21と精算日の期限が限りなく迫っている3月限月のプットオプションを大量に買い付けたこと」
「これらの取引は事前にベア社の財務悪化やS&Pの格下げを知り得た投機筋のインサイダーの可能性がある」
そうブログに書いた2日後にベアスターンズ社は破綻した。
3/17 日本時間の7:30ごろベアスターンズ社が2ドルでJPモルガンに買収されるという、事実上の破綻が報道される。ベア社のコメントによると「24時間の間に急速に流動性が低下した」とのことだった。ベア社の株価は$3まで暴落、プットオプションは25ドル近くまでまで跳ね上がった。この日の日経平均は11700 円割れ、ドル円は一時95円台をつけた。
このことから私は今回のベアスターンズ社のオプション取引の疑惑は単なるインサイダーではなく、事前に綿密に練り込まれた仕掛けであると推測するようになった。
ベアスターンズ社の破綻は取り付け騒ぎによって起こったと言われている。ベア社とその傘下のヘッジファンドに出資している投資家や金融機関が急激に資金を回収をしたことで、ベア社は資金がショートしてしまい債務超過に陥ってしまったのだ。ベア社幹部が「24時間で急激に悪化した」とコメントしていただけに、相当量の資金が引っこ抜かれたのだろう。ただでさえサブプライムモーゲージ証券で莫大な損失を抱えていたベア社へのトドメの一撃となった。
このベア社から資金を引き上げた投資家こそが、事前にベア社のプットオプションを購入したホンボシであると思う。ベア社から資金を一斉に引き上げて破綻に追い込み、同時にプットオプションを購入しておくことでボロ儲けしたのだ。プットオプションを購入するくらいだから現物株に対しても相当の空売りを入れていることだろう。SECも一連の動きに調査に入っているのではないだろうか。
おそらくこのベア社に出資していた投資家もサブプライムで相当負けが込んでいたに違いない。ベア社に残されていた最後の資産である株式を崩壊させることによって、負け分をなんとか回収したのだろう。ボロボロになったベア社のの絞りカスまでも奪っていたのだ。
*このブログの記事は一部の事実をもとに作られたフィクションであり、すべてTITANの妄想にすぎないことをお断りしておきます。