日経平均は怒濤の先物売り崩しで12000円割れが接近。そして昨夜のNY時間での株と為替は、
NY DOW -194.65, NASDAQ -51.12, USDJPY \99.01, CME N225 12110円(大証比-80円)の大暴落であった。私はそのNY時間の株と為替の値動きを日本政府のように(手を出さずに)注意深く見守っていたが、そこには恐ろしいまでに投機マネーが暴走していた。
まず発端は21:30発表の米国経済指標の2月CPI(消費者物価指数)だ。CPIはインフレ度合いを測る経済指標で、今月は急激な資源高によるインフレが予想されていた。結果は前月比、前年比ともに予想を下回るインフレ率であった。このCPIを受けてFOMCに利下げをする理由を与えたという思惑で、ドル円をしこたま売っていた投機筋の連中による怒濤のショートカバーが発生した。ドル円は100円40銭から101円台に一気に突入した。
時を同じくしてサブプライムに揺れる、米投資銀行大手の「ベア・スターンズ」にNY連銀とJPモルガンからの資金注入の報道が流れる。これを好感して欧州株価が上昇、NYダウのプレマーケットがプラス140ドル、ドル円もさらに一段高した。
そしてNYオープンの22:30、最初の30分間はダウはプラス50ドルまで上昇した。22:55に米国経済指標のミシガン大消費者信頼感指数が発表、予想より強いが良くない数字だった。その直後から米国の投資銀行の「ベア・スターンズ」の大暴落が始まった。理由は「ベア・スターンズ」への資金注入が金融機関全体に対する資金不足への懸念を招いたことと、S&Pが格付けを引き下げによってらしい。
ベア・スターンズ社の株価はわずか30分の間で前日の57ドルから半値の26.75ドルまで下落した。ストップ安というブレーキがない米国株式の恐ろしさを感じた瞬間でもあった。それに併せてダウはマイナス300ドル、ドル円は101円から一気に99円50銭を割り込んだ。
長々と書いたが、チャートを見ればその値動きの凄さは一目瞭然だ。
DOW JONES INDUSTRIAL AVERAGEUSD to JPYThe Bear Stearns Companies, Inc.ほんの1時間30分の間に、ドル円が100.40円→101.10円→99.40円、ダウが前日比プラス140ドル→マイナス 300ドル→マイナス70ドルだった。まさに投機マネーが大暴走、スリルとサスペンスとバイオレンスであった。
そして投機マネーは暴走だけでなく疑惑までも生じてきている。それは「ベア・スターンズ」の株価暴落に伴うオプション取引である。先週の火曜日3/11に、3月限月(精算日3/21)のプットオプションが大量に買われたらしい。当時のプレミアム価格はわずか15セントだった。金曜日3/14に株価が30ドルを割り込んだことで4ドル75セントの40倍になったらしい。
3/11はFRBが新流動性供給計画を発表してNYがプラス400ドルと大幅上昇した日だ。そんな日になぜ現値の半分以下のプットオプションを購入したのか?よほどの先見の明があったか、ベアスターンズの格付け引き下げと資金がショートすることを知り得たインサイダーでしか考えられない。オプションの手口を調べてみる必要がある。
とにかくこれらの現象はすべて前回の記事で述べた「過剰流動性による投機マネーの暴走」が原因だと思う。そして投機マネーはデリバティブとレバレッジによって実体以上に肥大化してきており、もはや制御不可能な状態になっているような気がする。